その息苦しさ、自律神経のせいかもしれません
自律神経から来る息苦しさは、自律神経系と呼吸器系の関連性と影響に原因があるといえます。
自律神経はいわゆる交感神経・副交感神経を司るものです。身体が自動的に自律神経を切り替えたり、身体の働きをコントロールしています。
しかし神経の働きに乱れが生じると、それが呼吸器系にも影響が及び、結果として息苦しさを覚えることがあります。
自律神経による息苦しさを軽減するには
自律神経は呼吸の他に発汗などにも関係しているので、異常に汗を掻いたり、汗により指先が冷えるといった症状を伴うことも少なくないです。
息苦しさは、神経の乱れと共に呼吸のペースや深さが乱れることが原因で、意識的に呼吸のペースを整えたり、ゆっくり深呼吸をしないと苦しくなりがちです。
具体的には呼吸が速くなって苦しくなる、浅くなって苦しくなる、あるいはその両方のパターンがあります。
いずれにしても、呼吸の乱れは肺に入る酸素量に変化が起こるので、息苦しさという分かりやすい症状になってあらわれます。
交感神経や副交感神経を意識的にコントロールすることはできませんが、呼吸を意識して行うことで症状を緩和することは可能です。
大切なのは乱れた神経に振り回されないこと、一定のゆっくりとした深い呼吸で息を整えることがポイントとなります。
神経系を原因とする息苦しさの特徴
神経系の原因による息の苦しさは、長距離を走って息が切れる苦しさとは性質が異なります。
例えば喉がつかえる感じがしたり、胸が苦しく感じられて、まるで押しつぶされた結果息ができなくなるような苦しさが特徴です。
走ることで生じる息切れは、自然と深い呼吸で多くの酸素を肺に取り込もうとするので、最初は息が乱れるものの、やがて肺が楽になって呼吸も落ち着きます。
ところが、神経の乱れが原因の苦しさは息が浅くなりがちで、呼吸をしようとしても深さではなく速さで酸素を取り込もうとします。
これでは呼吸としては不十分ですし、却って苦しくなってしまいますから、自律神経任せだと苦しさから解放されるばかりか苦しさが続きます。
呼吸器に負担が掛かる上に、酸素が不足して他の部位にも影響が及ぶので、併発する症状が多いことも珍しくありません。
呼吸困難に感じるほどの苦しさを覚える場合は、このまま死んでしまうのではという恐怖やパニックを伴うことが多いです。
更に吐き気を催したり、頭痛やめまいで気持ちが悪くなることもあります。
自律神経とストレスの関係
気分が落ち込むうつ症状についても、神経の乱れが原因になりがちですから、呼吸の苦しさと気分の落ち込みもまたよくある組み合わせです。
食欲がなくて食べ物が喉を通らない、これも呼吸器と同様に神経から来ている可能性があるので、心当たりがある場合は早めに医療機関に相談して診断してもらうことが大切です。
ストレスや不規則な生活、運動不足や偏った食生活など、生活の乱れが自律神経から来る息苦しさの根本的な原因だといえそうです。
ストレスの種類には人間関係や長時間のデスクワークなど精神的なものに加えて、騒音や極端に暑い場所、寒い場所といった身体が感じる肉体的なストレスもあります。
徹夜や夜更かし、短い睡眠時間といった寝不足になりがちな生活習慣もストレスを強め、逆に免疫力が低下して神経系にも影響を及ぼします。
ストレス耐性が低下する一方でストレスが生じやすく、感じやすくなりますから、日中に眠気を覚える睡眠不足は速やかに解消するのが望ましいです。
健康的な生活が自律神経のケアにつながります
健康な若い人は多少の睡眠不足でも気にしませんが、ダメージは着実に肉体に蓄積するので油断は禁物です。
後々になってしっかり寝ておけば良かったと後悔することになり得るので、若さに甘えて無理をするのは控えるのが賢明です。
これは運動不足や食生活にも関わることで、つまりは不摂生が神経を乱れさせ、息苦しさを含む様々な症状の引き金になることを意味します。
ハードな筋トレを行う必要はありませんが、週2~3回程度でも定期的に身体を動かして筋肉を維持したり、体力をつけることが健康において大事です。
食生活はジャンクフードを中心とした生活習慣が問題で、健康的な食生活を心掛けていれば、時々口にする程度であればまず大丈夫です。
呼吸器に影響が及ぶほどの不摂生は相当なものですが、飲酒や喫煙は身体に薬にはならず毒ですから、なるべく控えた方が良いのは確かです。
特に、意識的に呼吸を整えようとしても苦しさが軽減されない場合、飲酒や喫煙をしているならすぐに止めるべきです。
生活習慣の見直しも先送りにせず、全てを見直し改善するつもりで取り組む必要があるでしょう。
まずは生活習慣の改善とストレス解消を
薬や鍼灸といった治療による改善の見込みはありますが、根本的に解決するには根本に対するアプローチが必要です。
まさに生活習慣の見直しが必要で、精神的・肉体的なストレスに負けない身体を作ることが重要となります。
温めのお湯に浸かる入浴やマッサージなどは、胸が圧迫されて肺が苦しくなるような辛さが軽減されます。
これもやはり副交感神経が優位になり、ストレスから解放されるからで、このような身体にとって良いことを生活習慣に取り入れるのが正解です。
楽しいことを見つけたり趣味に没頭するのも、呼吸の不調や息の苦しさを忘れるきっかけになります。