「平成 28 年歯科疾患実態調査」の調査によると、顎関節に何らかの悩みを抱えている人は約1900万人といわれています。
症に悩まされているなかで、顎関節症の解消方法としてさまざまなセルフケア方法がテレビやインターネット上では紹介されています。
たくさんのセルフケア方法がある中で「結局何をすれば良いのかわからない」「そんなに色々とできない」とお悩みの人も多いはずです。
本ページでは、そんな人へ「1分マッサージするだけで顎関節症に効果的な筋肉」をお伝えさせていただきます。
顎関節症を改善させる「1分マッサージするだけ」の筋肉とは、どこの筋肉なのでしょうか?
ぜひ、最後までご覧ください。
顎関節症で1分マッサージする筋肉は「外側翼突筋」
顎関節症で1分マッサージすると効果的な筋肉は「外側翼突筋」です。
では、外側翼突筋とはどのような筋肉なのかを解説していきます。
外側翼突筋の役割&機能
咀嚼筋のなかの外側翼突筋は、口を開くときに顎をわずかに前方へ移動して口を開きやすくする動きを担っています。
また、顎を横にスライドさせる動きも外側翼突筋の役割です。
外側翼突筋がある場所
外側翼突筋の位置は、耳たぶから斜め前あたり。
ちょうど顎関節の周辺に存在します。
しかし、外側翼突筋は深層筋(インナーマッスル)であるため咬筋と呼ばれる筋肉の下に隠れており直接触ることはできません。
外側翼突筋のマッサージ方法
先述したように、外側翼突筋は深層筋(インナーマッスル)であるため、直接触れることはできません。
しかし、間接的に外側翼突筋をマッサージすることはできるため、その方法をお伝えさせていただきます。
【外側翼突筋のマッサージ方法】
- 歯を噛みしめて、ひとさし指を両耳たぶの斜め前あたりに置きます。
- ぷくっと膨らんだ箇所を探します。その位置が「咬筋」と呼ばれる筋肉になります。
- 咬筋をひとさし指で押さえたまま口をゆっくりと開いていきます。
- 口を半開きにした状態で、咬筋の深層部にある外側翼突筋をゆっくりと人差し指でマッサージします。
- 約1分間ゆっくりとマッサージします。
注意点は力加減。効果を早く出したいと焦ってしまうとマッサージの力加減は強くなりがちです。
基本的に、セルフマッサージは、他の人から受けるマッサージと比較して力強くなってしまう特徴があります。
そのため、少し物足りないくらいの力加減が筋肉にとっては適度な圧力となりやすいため、注意しながらもみほぐすようにしましょう。
その他の顎関節症1分間マッサージでおすすめの筋肉
顎関節症の1分間マッサージでおすすめの筋肉は外側翼突筋ですが、もし余裕があれば「咬筋」と「側頭筋」のマッサージもあわせて実践してみると効果的です。
では、実践方法を解説していきます。
咬筋の1分マッサージ方法
咬筋は、咀嚼筋のひとつで名前のとおり「咬む」ときに使用される筋肉です。
顎関節症の原因のひとつである、噛みしめや食いしばりのときには、咬筋に大きな負担が掛かっているため定期的にセルフケアをしてあげる必要があります。
【咬筋のマッサージ方法】
- 歯を噛みしめて、ひとさし指を両耳たぶの斜め前あたりに置きます。
- ぷくっと膨らんだ箇所を探します。その位置が「咬筋」と呼ばれる筋肉になります。
- ひとさし指でグリグリと円を描くように1分間マッサージをしていきます。
側頭筋の1分マッサージ方法
側頭筋は、咀嚼筋のひとつであり、下顎のほとんどの動きに使用される筋肉です。
先述した咬筋と同じような働きを持ちます。
【側頭筋のマッサージ方法】
- 歯を噛みしめて、側頭部(こめかみ)あたりに置きます。
- ぷくっと膨らんだ箇所を探します。その位置が「側頭筋」と呼ばれる筋肉になります。
- ひとさし指でグリグリと円を描くように1分間マッサージをしていきます。
顎関節症改善でやってはいけないマッサージ方法
顎関節症に効果的なマッサージ方法とおすすめの筋肉をお伝えさせていただきました。
しかし、セルフマッサージは実践方法を間違えてしまうとかえって症状を悪化させるリスクもあります。
とくに、以下のようなマッサージ方法は行わないよう心がけましょう。
痛みを我慢してもみほぐす
押すと痛い場所は「悪い場所」という認識から、我慢してでも痛い場所をもみほぐす人がいますが、症状悪化のリスクをともなうため絶対に辞めましょう。
痛みがある場所は基本的に炎症があり、興奮物質がたまっている状態です。
この場所を過度にもみほぐすと炎症が強まり興奮状態がひどくなることは容易に想像ができます。
そのため、痛みを我慢してマッサージを行う必要はまったくありません。
器具を使用したマッサージ
顎関節をセルフマッサージするときは、硬い器具などでグリグリと押すのは絶対に辞めましょう。
必要以上に硬いもので顎関節症を押すと炎症が強くなり症状悪化のリスクが高まります。
そのため、顎関節をセルフマッサージするときは、指の腹を使って優しく押すようにすると効果的です。
セルフマッサージで効果が出ないときの改善方法
顎関節症のセルフマッサージの方法をお伝えさせていただきましたが、残念ながら100%効果が出るものではありません。
また、セルフマッサージは方法を間違えると効果が出ないだけでなく、顎関節症の悪化のリスクをともなうことも先述したとおりです。
では、セルフマッサージをしても思うように効果が出ない顎関節症は何をすれば良いのか、改善方法をご紹介させていただきます。
生活習慣の改善
顎関節症は多くの要因によって発症します。その代表的な要因が生活習慣の乱れです。
夜更かし、昼夜逆転、寝方の問題、朝食抜き、暴飲暴食など。いくらセルフマッサージに力を注いでも、生活習慣の乱れを改善しなければ本末転倒です。
直接、顎関節に何かを施す方法のほうが「改善している!」という実感がわきやすいことはたしかですが、生活習慣の改善はセルフマッサージよりも力を注いで行わなければならない顎関節症の改善方法です。
医療機関の受診
歯科医院・口腔外科など。なかなか改善がみられない顎関節症は、きちんと医療機関を受診してしかるべき治療を受ける必要があります。
おもに、行われる治療は薬物療法・スプリント(マウスピース)療法・理学療法などです。
また、精神的ストレスから歯ぎしりや食いしばりある場合は心理療法が用いられることもあります。
整体院などの民間療法
医療機関でしかるべき治療を受けても顎関節症が思うように改善しない人います。
このような場合には、顎関節だけでなく全身のバランスや歪みに対して施術を行ってくれる整体院を利用してみる方法がおすすめです。
ただし、整体院によって技術や知識の差はまったく異なるため、経験豊富な整体院を探して通うようにしましょう。
まとめ
「顎関節症はこの筋肉を1分マッサージするだけで改善」方法&効果をお伝えさせていただきました。
咀嚼筋のなかでも、あまりクローズアップされない外側翼突筋をしっかりとマッサージすることで顎関節症につながることがあります。
まずは、無理のない範囲で外側翼突筋を1分マッサージしてみましょう。
日頃からのケアが長期間悩んでいた顎関節症を改善してくれます。
それでも思うような効果が出ないときには、思い切って専門家(医療機関や整体院)の力を借りましょう。