日常生活に時折感じる、心臓が一瞬ドクンとする感覚。
専門的には「動悸」と呼ばれるこの症状ですが、何か心臓に大きな病気が隠れているのでは?と不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
もちろん、心臓が原因で一瞬ドクンとする動悸を感じることもあります。
しかし、実はこのような動悸の原因は心臓だけでなく「自律神経」によって引き起こされる場合もあるのです。
では、どのようなメカニズムによって自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じるのでしょう。
本ページで原因と対処法についてくわしく解説していきます。
自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸のメカニズムと原因
心臓が一瞬ドクンとする動悸にはさまざまな原因が考えられますが、自律神経による動悸が起こるメカニズムと原因について解説していきます。
まず、予備知識として自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経は体を奮い立たせる神経。副交感神経は体をリラックス状態に落ち着かせる神経だということをご理解いただいたうえで以下の解説をご覧ください。
自律神経が原因で動悸が起こるメカニズム
動悸という言葉を少し言い換えると「鼓動」という表現もできます。
たとえば、大事な仕事や大会など目前にしたときに心臓の音や拍動が伝わる感覚を体験したことがある人も多いのではないでしょうか。このときの自律神経は「交感神経」が優位に働いています。
ただし、このこと自体は体にとっては何も悪い現象ではなく、むしろ自然な生理現象です。
実際、動悸と聞くと悪いイメージを持つ人が多いですが、このような生理現象も多くあります。
ただし、自律神経が何らかの原因で乱れてしまい、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまうと、就寝前や就寝中など本来はリラックス神経の副交感神経が優位に働かなければならない場面においても、交感神経が優位に働いてしまうことで心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じることがあります。
自律神経のバランスが乱れる原因
自律神経のバランスが乱れる原因はさまざまですが、おもに精神的ストレスや身体的ストレスが代表的です。
精神的ストレスは、仕事や家庭などにおける不安や悩みが引き金となる場合や、人間関係など多岐に渡ります。
身体的ストレスは、怪我や疲労など。寝不足や生活習慣の乱れなどによって身体に負担を掛けることで自律神経が乱れてしまうことがおもな原因です。
自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸の対処法
では、実際に自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じたとき、簡単に実践できる対処法を解説していきます。
楽な姿勢で安静にする
心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じたときは、交感神経が優位になり心拍数が上昇している状態になっている場合がほとんどです。
そのため、まずは心拍数の上昇を抑え、体をリラックスさせるために安静をとりましょう。
安静は、自身が楽に感じる姿勢をとっていただいても問題はありませんが、うつ伏せの姿勢は胸が圧迫されるため呼吸が浅くなる可能性がありおすすめできません。
できるかぎり、仰向け・横向きで寝るようにして、寝る姿勢がとれない場合は椅子に座るようにしましょう。
深呼吸をする
深呼吸にはリラックス作用があり、交感神経が優位になった体を副交感神経に切り替えてくれる効果が期待できます。
心臓が一瞬ドクンとするような動悸を感じたときには、ひとまず落ち着いて以下の手順で深呼吸を実践してみましょう。
- 椅子に座る、もしくは立った状態になる。
- 肩の力をぬき、リラックスする。
- 鼻から大きく吸い、口から吐き出す。できるかぎりゆっくりと大きな深呼吸を心掛けましょう。
リラックス作用のあるアイテムを使用する
自身にとってリラックス効果があるアイテムを使用することも、心臓が一瞬ドクンとする動悸の対処法にはおすすめです。
たとえば、アロマオイルをかいでリラックスをしたり、ハーブティーを飲んで気持ちを落ち着かせたりする方法などがあります。
ただし、コーヒーやアルコール飲料には交感神経を優位に働かせる成分が含まれているため注意が必要です。
いざというときに、自身にとってのリラックス方法をすぐに実践できるように普段から色々な方法を事前に試してみておくことをおすすめします。
軽視は禁物!医療機関を受診すべき動悸の特徴
心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じただけで「重篤な病気かもしれない」と必要以上に不安に感じる必要はありませんが軽視のし過ぎも禁物です。
とくに、以下のような動悸を感じた場合は医療機関の受診をおすすめします。
長時間の頻脈が続くとき
心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じたときには脈拍数を計測してみましょう。
目安としては、安静になった状態にも関わらず、1分間に120回/分の脈拍が5分以上続く場合には心臓に何かしらの異常がみられる場合があるため、ただちに医療機関を受診するようにしましょう。
脈拍低下やめまい
交感神経が優位になっている状態にも関わらず、脈拍が著しく低下したり、高血圧が低下したり、めまいや意識朦朧などの症状が続く場合も速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
動悸が頻発するとき
1回1回の動悸は短くても、くり返し起こる動悸の場合は一度、専門の医療機関に相談してみることをおすすめします。
どこの科に行くべきか迷ったときには、内科・循環器内科などを受診してみましょう。
自律神経のバランスを整えるために必要なこと
自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じたときの対処法は解説させていただきましたが、自律神経のバランスを根本から整えることが動悸への最大の予防法になります。
以下の方法を実践いただき、自律神経のバランスを整え健康的な毎日を過ごしましょう。
生活リズムを整える
人の体には体内時計が搭載されています。朝目覚めたり、夜眠気がきたりするのは体内時計が正常に働いている証拠です。
しかし、度重なる夜更かしや昼夜逆転の生活。朝食を抜いたり、寝る前までアルコール摂取したりするなどの不規則な生活によって体内時計が徐々に狂ってしまい自律神経が乱れてしまうのです。
そのため、自律神経のバランスを整えるためには生活リズムを整えることは必要不可欠。
朝起きて朝日を浴びることや、夜寝る前にはスマートフォンやテレビの光を浴びないなど、基本的な対策から確実に実践していきましょう。
ストレス発散
ストレスを完全になくすことは不可能です。
ただし、うまくストレスを発散する方法を実践できれば、ストレスを溜め込みすぎて自律神経のバランスが乱れてしまう予防になります。
たとえば、運動。筋力トレーニングや有酸素運動など何でも構いません。気持ちよく汗をかいて気分をリフレッシュさせることで寝つきもよくなり自律神経のバランスも整います。
そのほかにも、ドライブ・カラオケ・映画鑑賞など。事前に自分に合ったストレス発散の方法を確立させておくことをおすすめします。
まとめ
自律神経が原因で心臓が一瞬ドクンとする動悸を感じる原因や対処法を解説させていただきました。
動悸を感じると不安な気持ちになるのは仕方ありません。
そんなときは、本ページの内容を思い出し少しでも冷静な対応を心掛けてみましょう。
また、根本的な改善方法である自律神経のバランスを整えることは、ひとりの力だけでは難しいことも。実は、自律神経のバランスと体の歪みには大きな関係性があるため、自律神経の改善には整体院などで矯正施術を受けるという手段もあります。
どこの医療機関やカウンセリングを受けても、自律神経の乱れが改善しない方は、一度整体院を利用してみるのもおすすめです。