「外反母趾を放置していたら小指の付け根が痛くなった。」
「足の小指が曲がって痛くて歩けない。」
こんな悩みを持つ方は多いですよね。
その痛みは、内反小趾かもしれません。
内反小趾は足の小指の変形で、悪化すると手術しなくてはなりません。
しかし、適切に対処すればご自分で痛みを取ることや変形を改善することが可能です。
この記事では、内反小趾の原因と対処法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
内反小趾の症状と体に及ぼす影響
「内反小趾ってどんな症状?」
「外反母趾とは違うの?」
そんな疑問に答えながら、内反小趾が体に及ぼす影響について解説します。
内反小趾の症状|外反母趾との違いは?
外反母趾は、足の親指が小指側へ「くの字」に曲がる症状です。
一方、内反小趾は足の小指が親指側へ「くの字」に曲がる症状です。
内反小趾は、靴を履いた際に小指が何度もこすれて、炎症や痛みを引き起こします。
同じところがこすれることや、圧がかかり続けることで魚の目やタコができてしまう原因にもなります。
そのほか、小指が薬指に食い込むことで痛みが発生し歩くことが難しくなってしまうなど、小指の変形に伴う小指周辺の痛みが一般的な症状と言えます。
また、外反母趾の約80%は内反小趾を合併すると言われています。
内反小趾が体に及ぼす影響
内反小趾の影響は足の痛みだけでなく、全身にまで及びます。
足の裏はお椀をひっくり返したようなアーチ型を形成しています。
親指から小指にかけての横方向のアーチと、指先からかかとへの縦方向のアーチがあります。
足形をとったとき土踏まずが地面につかないということはアーチ型が崩れていない証拠です。
内反小趾では小指が親指側へ曲がり、薬指よりも上に上がってきます。
その結果、アーチが崩れてしまい偏平足や開帳足といった状態になります。
偏平足になると、歩いたときに地面からの衝撃をうまく吸収できず足が疲れやすくなったり、歩き方のバランスが崩れて全身の疲労が蓄積したりします。
また、歩くときには、小指の力で膝が外側へ崩れてしまわないように支えています。
内反小趾により、この支えを失ってしまうと、膝が外側に崩れてO脚になったり、膝痛を発症したりします。
歩く姿勢も悪くなりますので、腰痛の原因にもなります。
内反小趾の原因とチェック方法
ここでは、内反小趾を引き起こす原因とチェック方法についてお伝えします。
原因を知って、その原因を取り除かなければ、いつまでたっても症状は治まりません。
いくつかの原因がありますので、思い当たる節がないか確認してみてください。
次に、内反小趾をご自身でチェックする方法をご紹介しますので、状態のセルフチェックを行ってみてください。
重症になれば手術が必要なこともありますので、早期に対処することができるようセルフチェックは重要です。
内反小趾の原因
足の小指は、足の指の中で一番小さくて弱い指ですから、少しの影響で変形してしまいます。
しかし、裏を返せば少しの対処で改善する可能性が高いとも言えます。
まずは、原因を確認して、その原因を取り除くことが治療の第一歩です。
靴のサイズが合っていない
サイズが小さめの靴を履いていると指先が締め付けられて内反小趾を引き起こします。
サイズ選びの際のポイントは、靴の中で足の指が地面をつまむように動かせるかどうかです。
先の細いハイヒールやパンプス
先の細い靴はおしゃれですが、長時間履くことで締め付けによる内反小趾を引き起こす原因になります。
また、ハイヒールでの歩行は足首が固定された状態で歩くことになるため、足の指をほとんど使うことができない状態です。
そのような状態を長時間続けることで、足の指の筋肉が固まり、足の裏のアーチが崩れてしまいます。
靴下、ストッキング
足の指先を締め付けるような靴下やストッキングは長時間使用しないことをオススメします。
小指は簡単に曲がってしまいます。
開帳足や偏平足
足の裏の横のアーチが崩れると足全体が横に広くなる開帳足になります。
すると靴を履いた際に小指が靴に擦れてしまい内反小趾の原因となります。
また、縦のアーチが崩れた偏平足の方は重心が外側に偏った状態になりやすく内反小趾を引き起こすことがあります。
浮指
まっすぐ立った時に足の指が床から離れている状態を浮指といいます。
足の筋肉が固くなって浮指になっている方は、歩く際に足指を使うことができません。
この状態では歩く際の姿勢は不自然なものとなり内反小趾を悪化させます。
内反小趾のチェック方法
内反小趾をチェックする方法は簡単です。
足の外側にまっすぐな棒などを当てて小指が親指側へ何度曲がっているかを確認するだけ。
その角度を見れば重症度が分かりますよ。
重症の場合、手術が必要となることもありますので、早めに病院を受診しましょう。
手術方法は様々ですが、骨を切って小指の角度を調整しピンで固定する方法がよく用いられます。
入院期間は1~2週間が一般的です。
内反小趾の重症度チェック (小指の角度:状態)
小指の角度をチェックしてみましょう。
- 10度未満:正常
- 10度以上20度未満:軽傷
- 20度以上30度未満:中等度
- 30度以上:【重症】
内反小趾への対処・予防方法
内反小趾の対処・予防方法について紹介します。
内反小趾の原因となるマイナス要因をしっかりと減らしていきましょう。
足に合った靴や靴下を選ぶ
まず初めにおこないたいのは、足指の締め付けをなくすことです。
サイズの小さい靴やハイヒール、きつめの靴下などによる締め付けが内反小趾を引き起こし、そしてどんどん悪化させます。
靴はできるだけ幅の広いものが良いでしょう。
靴下は5本指のものがオススメです。
マッサージ
足の筋肉が凝りかたまってしまい、浮指など歩く際に足指をうまく使えていない方にはマッサージが有効です。
やさしく足指の付け根や足裏と足の甲を揉みほぐしましょう。
同時に指と指の間を広げるようにストレッチすることも効果があります。
足裏体操
足指の筋力が弱いと足の裏のアーチが崩れ、偏平足や開帳足となります。
足指の筋力を向上させることで、症状の改善や悪化予防が期待できます。
方法は簡単です。
足指でグーとパーをつくる体操、足指でタオルをつかむ運動に効果があります。
インソール
インソールとは靴の中敷きのことです。
インソールには足の裏のアーチ形成を助けてくれるアーチサポート機能が付いたものがあります。
アーチサポート機能が付いたインソールを活用すれば、偏平足や開帳足を改善できるので内反小趾の改善につながります。
テーピングとサポーター
テーピングで指の位置を矯正する方法もあります。
小指を外側の本来の位置に戻し、薬指よりも下へ下げるようにテープを巻くことで足裏の横のアーチを形成します。
しかし、ご自分で巻くことはなかなか難しいので、テーピングの理論を用いて作られたサポーターを使用することをオススメします。
内反小趾用のサポーターが市販されており、価格は1,000円前後で手に入ります。
サポーターを活用することで小指の位置を本来の位置に戻してくれますので、痛みの改善につながります。
まとめ
外反母趾に合併する小指の痛みは内反小趾である可能性が高いです。
内反小趾の原因は靴による足指の締め付けや、足の指がしっかりと使えていないことで起こる偏平足、開帳足、浮指が挙げられます。
対処法は足に合った靴を選ぶこと、マッサージでかたまった足指の筋肉をほぐすこと、足指の筋力アップを図り偏平足を治すことが重要です。
また、アーチサポート機能の付いたインソールや内反小趾用のサポーターを活用することも内反小趾の改善に効果的です。